2015年3月17日火曜日

キャスター交換 Pelican 1510

Pelican 1510」、カメラ用のキャリーケースを買おうと思ったことがある人なら誰もが見たことがあるであろうものです。堅牢かつお洒落でかっこいいので候補に上がりやすいキャリーですが、レビューや候補から外した人の意見で目立つのが「転がした時の音がうるさい」というもの。車での移動がメインで引っ張って転がすことはあまりないという人はいいと思うのですが、電車や飛行機などの移動でアスファルトやコンクリの上を合計1km以上転がすなら使いたくはないです。

ただ、「Pelican キャスター 交換」、「1510 ホイール 交換」などで検索するとキャスターを交換しているブログがたくさんでてきます。私はPelican 1510を購入する前からキャスター交換をすることが前提と考えていたので、これらのブログを徘徊して事前調査をしていたのですが意外と大変そうだなと感じていました。

最も多かったのがホイールハウスに収まりきらない大きなインラインスケート用のホイールを外側に装着したもの。これは見栄えも悪いしホイールサイズが違うことにより横置きにした時に斜めになるという問題点があり却下。他にも土台から改造してスケートボード用のホイールをつけたものが1件、小さいサイズのインラインスケート用ホイールをカットして交換するというものが1件という具合。

それらを踏まえてできるだけ手間と作業を省き、音の静かなホイールに交換して実用上最強のキャリーケース「Pelican 1510」に改造していくさまをご紹介します。このホイール交換は場合によっては他のキャリーケースにも適用できるので自分のキャリーが「ガラガラと音がうるさい!」と思っている方は参考にしてみるといいかもしれません。


まずは私のケース、Pelicanのケースは大好きなので他にも1470も持ってます。私が買ったのは1510の中身がスポンジではなくディバイダータイプの「Pelican 1514」です。


早速キャスター部分を取り外します。この部分にあるタッピングのプラスネジ2本を外せばあっさり外れます。


そしてキャスターの軸にドライバーなどをあててハンマーで内側から外側に向けて叩いてやるとそんなに苦労することなく軸を取り外すことができます。


ギザギザの少し径が太くなった部分を強化プラスチックに食い込ませて固定しているようです。プラスチックが固く変形性のあるものなので実用に耐えられるんだろうけど、なにやらちょっと不安な感じ。


キャスター台座、ホイール、軸の3つに別れました。


ここでホイールのサイズを図ってみます。写真ではわかりにくいかもしれませんが60mmを若干切っているように見えます。


幅はベアリングの突起部分で21mm、ホイールはもっと細く、たしか18mmくらいだったと思う。


ベアリングはあえて測る必要はないかもしれません、規格「608zb」というもので外径22mm、内径8mm、厚さ7mmです。日本では「608zz」で探せば同じサイズの外径22mm、内径8mm、厚さ7mmのものが売っているので、もしベアリングが破損した時はそれを使えば大丈夫でしょう。今回はベアリングになんら問題はないので、もともとホイールについていたベアリングをそのまま使用します。


軸の径は6mmより微妙に太いので、おそらく1/4inch(6.35mm)です。内径8mmのベアリングに6.35mmの軸、、、もしかすると「627zz」のベアリング(外径22mm、内径7mm、厚さ7mm)のものに付け替えたほうがクリアランス的にはいいかもしれません。


用意した静音ホイールはRINKRATというインラインスケート用で外径が59mm、76Aという柔らかさのホイール。数値が小さくなるほど柔らかくなるのでできるだけ柔らかいものをと思ったのですが、59mmという径は特殊なサイズでキッズ用、もしくはゴールキーパー用らしく選択肢はほとんどありませんでした。この商品はインドア用とあり柔らかいものだったので大丈夫でしょう。1個1000円、送料800円と送料が痛いのですが買えるところは殆どないので仕方がない。誰もが楽天の「スケートハウスさいたま」というショップに行き着くのではないでしょうかw

このホイールの厚さは24mmなので先ほど測ったホイールの「ベアリングを含んだ厚さ 21mm」に薄くする必要があります。


ホイールをスライスするために用意したアルミ板と厚さ3mmアルミの板棒。これらを使ってカット用ガイドを作ります。


まずはアルミの板棒を半分にカット。


ホイールが浮かない程度の幅にセットして接着します。早く作業したかったので瞬間接着剤を使用しましたが、のこぎりで切る時の振動ですぐに剥がれたので粘性の高い接着剤で貼り付け直しました。急がばまわれですね。。。


クランプで角材に固定してのこぎりでカットします。この時にクランプを締め付け過ぎると圧迫の力でカットしづらくなるのでホイールが動かない程度の力だけで固定します。また一気にカットすると中心に近づくにつれ大変になってくるので回転させながら中心部のプラスチックを避けて柔らかい部分だけをカットします。最後にクランプを外してホイールを手に持ってプラスチック部分だけを切ると楽だと思います。


こんな感じで綺麗にカットできました。


バリができているのでカッターで面取りしましょう。


ホイールハウスにもちゃんと収まりました。1mmくらい余裕があったのでホイール幅は22mmで良かったかもしれません。次回は厚さ22mmでやってみようと思います。(随分先の話だろうけど)


ホイールをカットしただけでは内側のホイール止めにベアリングが引っかかり飛び出してしまうのでホイール止めを3mmほど削ります。


22mmの木工用ボアビットを使用して削りますが、彫刻刀などでやってもいいのかもしれません。


適正な深さの側にボアビットを差し込み、削りこむ深さの目印をマジックで書きます。


そしてボアビットを電動ドリルにセット。DIYする人は電動のドライバードリルくらい持ってるよね?


削るときに滑りを良くするためにオイルを塗布しておきます。


削ります。この作業が意外と難しいのではないか?と思っていましたが、とても簡単でした。


ベアリングもピッタリ収まり仕上がりもなかなか綺麗。


後はホイールにベアリングをセットしてホイールハウスに装着します。


ここで重要なのがグリスの塗布。分解した時に思ったのですが初期状態ではグリスがほぼついていませんでした。あの状態だと耐久性に欠け、ベアリングの寿命が短くなるのでシマノの自転車用高級グリスのデュラエースグリスをべったりと塗りつけておきます。これで大丈夫でしょう。

※kure556や自転車のチェーンオイルはNGです、あれは揮発性なのですぐに無くなってしまいます。こういった部分はグリスを塗りましょう。


軸を差し込んでハンマーで叩いて最後まで押し込み、本体のケースに装着して完成。


黒いホイールではなくなったけどホイールハウスにちゃんと収まっているので目立ちません。実際にアスファルトの上で転がしてみましたが、もとのホイールの音と比べると感動ものの静かさです。これなら舗装路であればどこへでも持っていくことができます。

柔らかいホイールなので摩耗という面での耐久性の問題はあるかもしれませんが、作業自体は簡単だということが分かったし、この工程にしか使い道のないボアビットも購入したので、すり減ったらウィールだけを買えばOK、これでガンガン使うことができます(^o^)

最後にキャスター付きのキャリーを購入する方へのアドバイスとして、ケースのデザインで考えるだけではなく、「ホイールの径の大きいもの」、「ホイールが交換可能か」、「ホイールが硬すぎてうるさくないか」ということを考慮して購入すると快適なコロコロ生活を送ることが出来ると思います。



0 件のコメント:

コメントを投稿